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日頃から創り手として声優さんに丸投げは良くないと考えています。 下に自分なりの考えを書きますので、催眠に興味があり、たまたま来られた声優さんは参考にして下さい。
まず催眠の出来る声優さんはもともとその方の個性なのか、朗読をたくさん勉強されたからなのかは分かりませんが、「語り」が非常にうまいと感じることが多いです。 「語り聞かせ」のうまい声優さんは、ほとんど予備知識も無くスラスラと催眠に入っていくことが出来ます。
この「語り聞かせ」というのは、いったん書いてある言葉を自分の内側に入れ、次に聞き手に分かりやすく伝える脳内プロセスがうまく働いていない限り、出来ないものだと推察しています。 ですので、ただ書いてあるままに読み上げる瞬発能力の高い声優さんが、必ず成功するとは限りません。 ドラマやゲームの場合は、今投げた台詞を聞き手のほうでうまく拾ってくださいというスタンスのため、それでも大丈夫な場合が多いのです。
また普通の仕事で声優さんが演じるのは、キャラクターを確立するための「自己主張型の演技」と言えるものです。 催眠は語り手の自己主張をあまり必要としません。 まず立ち位置が自分よりではなく、真ん中から相手よりです。 つまり読み手と聞き手の「共感」を生み出す雰囲気作り、間の取り方であったり、ゆったりとしたテンポや独特のリズムの取り方。そういった「語り聞かせ」の巧みさを要求される演技なのです。 これが出来ると不思議なことに、自己主張をしていないにもかかわらず個性が生まれます。 読み手のテンションは高くないほうがうまく行きやすいですが、場面においては抑揚もあり、聞き手の感情をコントロールすることも求められますので、決して平坦な演技にはなりません。
あとはリスナーがどういう状態で聞いているのかを考え、物理的なその人ではなく、「無意識に対して語り聞かせる」という意識を持つことが大切です。
以上ざっとですが、これから音声催眠をやってみようとされる声優さんに対して、自分なりの考えを書きました。 これに加えて、やはり多少の催眠の知識は入れておいたほうが良さそうに思います。演じるうえで知らないよりは、確実に誘導効果を高めることが出来るからです。 おそらく一度つかんでしまえば、自由自在にこなせるようになると思います。
最後に、催眠に近いもので表現力を鍛えるためにも、児童文学や詩の朗読を推奨します。
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